2ヶ月の我慢!

今年の一級建築士製図試験の課題『高齢者介護施設』は難しそうに見えます。その理由は、現段階で「階数」が分かっていないことに大きく起因しているものと思われます。もう、現時点においてビックリ玉が発動しているようなものなので、これ以上のサプライズはご勘弁してほしいところです。

エスキスの仕方は、従来の「3階建タイプ」と「基準階タイプ」とで、若干異なります。例年であれば、課題が発表された時点で、どちらのタイプかが明らかとなっていますので、どちらかに特化したエスキスの仕方を練習していけばいいことになります。

ここからは、極めて個人的な考察です。

課題発表時に建物のタイプを明らかにすると、全受験生はどちらか一方のタイプしか練習しないことになります。すなわち、建築計画的な実力差があまり出ない事態となり得ます。そこで、例年はいわゆるビックリ玉的なものを出題することで、受験生を心理的に動揺させるなどして、採点上の差を生み出しているのではないかと考えています。かなり穿った見方ですが、全く見当はずれでもないと思います。

今年は、どちらのタイプが出題されてもいいように学習していかなければなりません。考えようによっては、ビックリ玉による採点差(もちろんそれだけではありませんが)ではなく、エスキスがちゃんと出来るかどうかの本当の意味での実力勝負となります。つまり、例年以上に、正攻法できちんとエスキス力を身に付けた人が受かりやすい年になると考えます。

この試験は、運的な要素を完璧に排除することは難しい試験だと思っていますが、今年はそういう要素を排除した、本来のガチンコ勝負になりそうな気がしています。

製図初受験の方にとって、最初の3週間くらいは本当に苦しい時期だと思います。作図力を養いつつ、3,000㎡クラスの建物のエスキスの仕方や記述(計画の要点)についても学習していかなければなりません。特にエスキスについては、なかなか実力が付いていることを実感できないものです。しかし、そこを突破すると、ある時、覚醒します。この覚醒の時期には個人差がありますが、いずれ誰にでもその時はやって来ます。過去には、本試験の3日くらい前に、「分かりました!」と言って、そのまま合格した卒業生がいました。

苦しく、低迷の期間は長く続くかもしれませんが、その先の夜明けを信じて頑張って頂ければと思います。

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