鉄筋コンクリート造の問題(構造)

1級の構造でよく出題される内容は、不静定構造物やその物終局時の応力算定についてです。また、強度と剛性が絡んだ文章題も頻出です。

基本的に、
許容応力度の検討には「強度」が関係し、
たわみの検討には「剛性」が関係します。
詳しくはコチラ

これらの部分を、まずはしっかりと押さえておきましょう!

 

学科Ⅳ(構造)(1級過去問 H25)
問 鉄筋コンクリート構造の部材の性能に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 柱の曲げ剛性を大きくするために、引張強度の大きい主筋を用いた。
  2. 耐力壁のせん断剛性を大きくするために、壁の厚さを大きくした。
  3. 梁の終局せん断強度を大きくするために、あばら筋の量を増やした。
  4. 耐力壁の終局せん断強度を大きくするために、コンクリートの圧縮強度を大きくした。

 

(解答・解説)
  1. 原則として、鉄筋の引張強度を大きくしても、鉄筋のヤング係数は変わらないので、部材の曲げ剛性には影響しません。このことは、鉄骨造の梁のたわみに関する鉄骨材の特徴として頻出の事項です。また、RC造において、部材の曲げ剛性EIの算定は、ヤング係数(E)も断面二次モーメント(I)もコンクリート断面の値を用います。よって設問は誤った記述ということになります。
  2. 正しい記述です。なお、せん断剛性は、せん断弾性係数Gと断面積Aに比例します。また、鉄およびコンクリートのせん断弾性係数は、ヤング係数の約0.4倍です。
  3. 正しい記述です。なお、RC造の「梁」において、長期荷重に対してひび割れを許容しない場合は、せん断補強筋(梁:あばら筋)の効果を考慮しませんので、注意が必要です。
  4. 正しい記述です。設問の内容は、一応、平19国交告594号第4三ハの表中から読み取ることができますが、かなり難解です。表中の耐力壁のせん断耐力Qwの式から、コンクリートの設計基準強度Fcが大きくなると、このときの耐力壁のせん断耐力が大きくなることが分かります。

従いまして、答えは1.となります。

※鉄とコンクリートそれぞれの強度とヤング係数の関係については、頻出の内容ですので各材料の「応力度-ひずみ度曲線」を、もう一度よく確認しておきましょう!

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