合成樹脂可とう電線管の問題

先日、在校生から、RC造の授業の中で、CD管とPF管の違いについて質問がありました。在校生からこういう質問がある時点で、個人的にはよく勉強しているなあと非常に感心してしまいます。今年の試験日については、まだ不透明な部分がありますが、いずれ来たるそのときに向けて、コツコツと努力を続けていきましょう!

なお、今回は一級過去問「施工」からの紹介ですが、「構造」としても問われることがありますし、二級でも問われる内容です。

 

問 次の記述の正誤を判定せよ。

①H23年一級過去問 学科Ⅴ(施工)
コンクリートスラブに埋設する合成樹脂製可とう電線管(CD管)については、スラブの上端筋と下端筋との間に配管し、専用支持具等を用いて1m以下の間隔で下端筋に結束した。

②H25年一級過去問 学科Ⅴ(施工)
軽量鉄骨間仕切壁内に合成樹脂製可とう電線管(PF管)を配管するので、その支持間隔を1.5m以下とし、バインド線を用いて支持した。

 

 

(解答・解説)
結論からいうと、どちらも正しい記述です。
CD管はコンクリート埋設専用で、PF管は露出配管もコンクリート埋設も可能です。設問のようにPF管を軽量鉄骨間仕切壁内で使用する場合は、支持間隔を1.5m以内としますが、コンクリートに埋設する場合の支持間隔は、CD管もPF管も1m以内とします。厳密には、もっと細かくて、ややこしい規定があるようですが、建築士試験に必要な基礎知識としては、以下にまとめたようなもので十分と思われます。参考にしてみて下さい(ちょっと、それぞれの英語表記はあやしいですが)。

 

【合成樹脂可とう電線管】
○CD管(Combined Duct)(耐燃性がない)

  • オレンジ色(ほぼ全メーカー共通)
  • 自己消火性が無い(火がついたら燃え続ける)
  • PF管よりも価格が安い
  • 原則として、コンクリート埋設専用

 

○PF管(Plastic Flexible conduit)

  • 基本色はベージュ系(結構、いろんな色がある)
  • 自己消火性がある(火がついてもすぐ消える)
  • CD管に比べて価格が高い
  • 露出配管・隠ぺい部配管・コンクリート埋設が可能