鉄骨工事(施工)の問題

一級も二級も施工教科は25点満点です。本試験時には構造教科と一緒に問題が配られます。試験時間は2教科合わせて、一級は2時間45分、二級は3時間です。

(極めて個人的な感想ですが、一級の試験においては、構造と施工を15分短縮して2時間30分とし、法規に+15分してほしいなあと、いつも思ってしまいます。まあ、叶わぬ願いでしょうけれども。)

文章題においては、構造と施工の教科は結構かぶっている内容が多いです。構造で問われるような内容のことが、施工で問われたり、その逆のパターンもあったりします。

学科Ⅴ(施工)(1級過去問 H28)
問 鉄骨工事の高力ボルト接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 溶融亜鉛めっき高力ボルトの接合において、M20とM22の一次締めトルクは、100N・mとした。
  2. 高力六角ボルトM20のナット回転法による本締め後の検査において、全てのボルトについて、一次締め完了後に付したマークのずれにより、ナットの回転量が120度±30度の範囲にあるものを合格とした。
  3. トルシア形高力ボルトの締付け後の検査において、ボルトの余長については、ナット面から突き出た長さが、ねじ1山~6山の範囲にあるものを合格とした。
  4. F8Tの溶融亜鉛めっき高力ボルトM20の孔径については、22mmとした。

 

 

(解答・解説)
以下は、全てJASS6(鉄骨工事)によります。

  1. 溶融亜鉛めっき高力ボルトの接合において、M20とM22の一次締めトルクは150N・mです。なお、100N・mでいいのはM16の場合です。よって、誤った記述となります。
  2. 正しい記述です。高力六角ボルトのナット回転法について、よく出題される正しい選択枝として、「合格範囲を超えて締め付けられたボルトは取り替える」や「ナットの回転量が不足しているボルトについては、所要のナット回転量まで追い締めする」などがあります。
  3. 設問は正しい記述です。トルシア形高力ボルトと高力六角ボルトの検査方法の違いについて確認しておきましょう。
  4. 正しい記述です。設問は頻出の選択枝です。高力ボルトの孔径については、公称軸径が27mm未満の場合→公称軸径+2.0mm、公称軸径が27mm以上の場合→公称軸径+3.0mmとなります。ボルトの場合は、公称軸径+0.5mmとなります(ただし、建築基準法施行令68条4項によれば+1mm、最大+1.5mmとなっており、JASS(標準仕様書:学会規準)とは数値が異なります)。高力ボルトとボルトとでは、その接合機構によって孔径が全く違いますので注意が必要です。

よって、答えは1.となります。

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