環境工学の用語の問題

環境・設備の教科は構造力学と同じように、公式を覚えなければならない問題やグラフを読み取る問題が多く出題されます。全ての教科に言えることだと思いますが、初見では解きにくさを感じても、10回くらい繰り返して解くと得意になります。極めて個人的な感覚ですが、初めはクリア出来なかったステージが、繰り返し練習することによってスキルが上がり、クリア出来るようになるという(アクション)ゲームの感覚に似ています。

とにかく苦手な分野をひたすら繰り返し勉強し、苦手な問題をひたすら繰り返し解き直し、少しずつ少しずつ得意な分野と問題を増やしていきます。ひたすらこの繰り返しです。

正直なところ、時にはくじけそうになることもあると思いますが、一度「やる」と決めたからには、なにはともあれ最優先事項は「勉強」です。先日も、本校卒業生が質問しに来ていましたが、最後は人生相談的な話になってしまいました。

みんな悩んでいます。自分も悩んでいます。悩みだらけの日々です。
今度、飲みに行きましょう!!

と、いうことで、過去問紹介です。

 

学科Ⅱ(環境・設備)(1級過去問 H28)
問 環境工学における用語に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. PMVは、室内の温熱感覚に関係する、気温、放射温度、相対湿度、気流速度、人体の代謝量及び着衣量を考慮した温熱環境指標である。
  2. 照度は、目で見た明るさに直接的な関わりがあり、屋内照明器具による不快グレアの評価に用いられる。
  3. プルキンエ現象は、暗所視において、比視感度が最大となる波長が短い波長へずれる現象である。
  4. 残響室法吸音率は、残響室内に試料を設置した場合と設置しない場合の残響時間を測定して、その値をもとに算出する試料の吸音率である。

 

 

(解答・解説)

  1. PMV(Predicted Mean Vote:予測平均温冷感申告)は、設問の通り、温熱環境指標です。こういうPMVのようなワードは、必ず何の頭文字なのか、その英単語を調べてみましょう。例えば、Voteは「投票する」という意味ですから、何人かの申告(投票)によって平均(Mean)的な寒暖の感じ方を予測した(Predicted)指標ということが分かります。
    あと、関連してPPD(Predicted Percentage of Dissatisfied:予測不快者率)という指標もあります。これは、何%(Percentage)の人がその環境に不満(Dissatisfied)を持っているかを予測したものです。
  2. 不快グレアの評価に用いられるのは、照度ではなく、輝度です。輝度の単位は、cd(カンデラ)/㎡またはlm(ルーメン)/(㎡・sr(ステラジアン))さらにはnt(ニト)で表されます。
    なお、照度は目で見た明るさに間接的な関わりがあり、単位は、lx(ルクス)またはlm/㎡で表されます。
    よって、設問は誤った記述となります。
  3. 「プルキンエ現象」は頻出用語です。通常の出題のされ方としては、暗い所では、青色を明るく感じ、赤色を暗く感じるというものだと思いますが、設問では色を波長の長短で表すことにより、難度が上がっています。
  4. 残響室法吸音率についての説明は、設問の通り正しい記述となります。あと、残響時間の計算式として、セービン(Sabine)の式も頻出ですので、よく押さえておきましょう。
    セービンの式 T = 0.161V/A
    T:残響時間(秒) V:室の容積(㎥) A:室の吸音力(㎡)
    (なお、A=室内の平均吸音率×室内の総表面積(㎡))

よって、答えは2.となります。

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