遠回りに見えるけど

いろんなエスキスの仕方はあると思いますが、極めて個人的な見解では、少なくともイキナリ1/400でのプランニングは出来ないというか、やめたほうがいいと思います。まあ、様々な考え方があるので、一概には言えませんが、種々の与条件をクリアするためには、一見、遠回りに見えるかもしれませんが、ある程度の手順は踏むべきと考えます。

専門学校の対策講座で、以前指導していたエスキスにおける、絶対に検討すべき項目を以下に列挙します。

  1. 敷地のヘリアキ
  2. 建築面積のMAX・床面積の範囲
  3. プログラム図
  4. 各階のボリューム振り分け
  5. チビコマ
  6. 倍コマ
  7. 面積チェック・エスキスチェック1
  8. 1/400プランニング
  9. ラフ断面図
  10. 最終の面積計算
  11. エスキスチェック2

以上、課題文の読み取りを含めて2.5時間以内での完了を目指しますが、途中2回のエスキスチェックも含めて2.5時間ということです。多少の項目の増減や手順前後はあるにせよ、上記の項目は、かなりスタンダードなものだと思います(チビコマとか倍コマという用語はウラ指導さんからの引用です)。

特に1.は意外と軽視されがちですが、自分は、いの一番に検討すべき項目だと考えています。敷地全体から、駐車・駐輪スペースや地上に設ける広場などのヘリアキを除いた部分が、建物を建築することのできる範囲となります。実はこの検討項目は、足切りが設定されている空間構成の一つともなっています。また、この項目の検討により、大まかなスパン割のヒントにもなり得ます。

3.のプログラム図というのは、初受験の方にとっては聞きなれない言葉だと思いますが、例えば隣接が条件となっている室同士などをフローチャート的な模式図で表したものです。個人的には、あまり詳細なものは描かなくていいと思っています。本当に重要と思える箇所のみを表すことで時間短縮となります。

あとは、エスキスチェックが、なんと言っても重要です。室の抜けはもちろん、与条件の抜けなど、課題文と照らし合わせて細かく確認します。このチェックする時間の確保が合否に直結すると言っても過言ではありません。

まだ、今年の一級の製図試験の戦いは、始まったばかりです。
一歩一歩、着実に進んでいきましょう!