令和二年度二級建築士製図試験課題について

ちょっと遅くなりましたが、今年の二級建築士製図試験の課題についての現時点における考察をしてみたいと思います。

6/10(水)にJAEICより、令和二年度二級建築士試験「設計製図の試験」の課題が発表になりました。

 

【課題名】
『シェアハウスを併設した高齢者夫婦の住まい(木造2階建て)』

【要求図書】
  • 1階平面図兼配置図(縮尺1/100)
  • 2階平面図(縮尺1/100)
  • 2階床伏図兼1階小屋伏図(縮尺1/100)
  • 立面図(縮尺1/100)
  • 矩計図(縮尺1/20)
  • 面積表
  • 計画の要点等

 

近年の課題は、コンペとかコンクールみたいです。
今年の課題で、個人的に一番注目しているポイントは、フルバージョンの矩計図の復活です。その分、断面図がなくなりました。A2版という限られた製図用紙に描く関係上、どうしても敷地の大きさに制約を受けますが、断面図をなくして矩計図を復活させ、従来の図面構成に戻りましたので、昨年までよりも敷地を少し大きくすることができるようになりました。よって、今年の課題である(ちょっと面積が大きくなりそうな)シェアハウス併設住宅が可能となったのだと思われます。

最近の木造住宅課題の場合、延べ面積が200㎡を超えるような計画になることはほとんどなかったと思われますが、今年は基本的に200㎡以上での計画となるかもしれません(排煙計画等については、あくまでも課題文の要求によります)。

規模が大きくなると、当然、エスキスに要する時間も増えますし、作図時間も増えます(特に1階平面図兼配置図)。今の時期においては、2階床伏図兼1階小屋伏図の描き方の復習と矩計図の基本形の暗記に努めましょう。7月の第2週からは、エスキス主体の勉強方法にシフトチェンジします。8月に入ってからは、ひたすらエスキス~作図の反復練習(とういうか訓練)になりますので、その時期において、まだ伏図や矩計図が描けないということがないように、今のうちにしっかり学習しておきましょう。

あと、個人的に今年の課題に思うこととして、「高齢者夫婦の住まい」ということから、何となく既存の住宅を(単なるリフォームではなく)リノベーションして使うイメージがありますが、恐らく「新築」だと思われますので、その辺りの課題構成というか出題のされ方に興味があります。かつて一級の製図試験(確かH17年?)で出題されたような、リフォームを伴う課題の可能性もビックリ玉としてあるかもしれません。

いずれにしましても、木造住宅の課題として学習する内容に大きな違いはありませんので、くり返しになりますが、まずは伏図や矩計図などの基本図面の学習に徹しましょう。

今後も、本サイトにおいて、今年の課題についての留意事項等について考察していきたいと思っていますので、興味のある方は、たまに覗いてみて下さい。

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