示力図と連力図

今回は、トラスの図式解法を理解する上で、大事な基礎知識となる「示力図」と「連力図」について解説したいと思います。年を越してしまうと、こういう基礎的な事項を勉強する時間の確保が難しくなりますので、今のうちに復習しておくことをおススメします。

なお、極めて個人的な見解ですが、後々のことを考えて、トラスの解法においては、図式解法(節点法)と切断法(算式解法)の両方を理解しておいた方が良いと思われます。トラスの問題においては、一級でも二級でも、難易度に差はほとんどありません。

早速ですが、下の図1の合力(大きさ・方向・位置)を図式解法によって求めます。

まず、合力の大きさと方向を求めます。
下図のようにP1の終端とP2の始端を合せます。

そして、P1の始端とP2の終端を繋ぐと、合力Rの大きさ(矢印の長さ)と方向が求まります。

次に、この合力の作用する位置を求めるために、示力図なるものを描きます。

示力図とは上図のように、任意点Oを定め、点OとP1,P2の始端・終端とを①~③の極線で結んだものです。この示力図を参考にして、以下の手順で連力図を描いていきます。

(1)図1において、P1の任意点A上に示力図中の極線①を平行移動させます。

(2)同じく点A上に極線②を平行移動させ、P2の延長線との交点を点Bとします。

(3)点B上に極線③を平行移動させ、極線①との交点を点Cとします。

(4)この点Cが合力Rの作用線が通過する位置となります。ゆえに、図1における合力(大きさ・方向・位置)が求まったことになります。端的に言うと、点Cは示力図の極線①と極線③の交点となり、この交点を求めるために、一連の手順を踏んでいるということになります。

(5)ちなみに、連力図における補助線等を全て消去すると下図のようになります。

 

最後に、興味のある方は、下の問題を解いてみて下さい。

※問題図で言えば、示力図における極線①と極線④の交点を求めるために連力図を描くことになります。以上の考え方は、トラスの図式解法において、とても重要な基本事項となります。

 

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