製図試験では、面積を適宜とした要求室が結構ありますので、自分でおおよその室の大きさを考えなければなりません。その際、下記のような室面積における数値的な考え方が必要となります。今現在、製図試験の勉強をされている方も、力試しに是非解いてみて下さい。
H22年一級過去問 学科Ⅰ(計画)
問 建築物の各部の寸法及び床面積に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 劇場において、車いす使用者用客席スペースを出入口に近い部分に設け、車いす1台当たりのスペースを幅90cm、奥行き120cmとした。
- 事務所において、ロの字形に机を配置する会議室(収容人員20人程度)の広さを、3.6m×7.2mとした。
- 図書館において、書架のない閲覧室(4人掛けで100席)の床面積を、180㎡とした。
- 洋食レストランにおいて、客席部分(50席)の床面積を、80㎡とした。
(解答・解説)
極めて個人的な見解になってしまいますが、一人(又は一席)あたりの必要床面積が問われた場合は、以下のように考えて問題ないと思われます。
- 映画館・劇場の固定席の場合は、かなり狭くてもよくて、0.5㎡~1.0㎡弱(通路含む)。
- レストランの客席は、ほぼ1.5㎡。
- 図書館の閲覧席は、ざっくり1.5㎡(ちょっと小さ目ですが)。
- 会議室は、ズバリ2.0㎡(最小値)。
これらの数値を当てはめて計算してみると、2.の選択枝が最も誤っています(答えは2.)。すなわち、会議室で収容人員が20人なので、最低でも20人×2=40㎡必要ですが、室面積が3.6m×7.2m≒26㎡ですから、狭いことが分かります。なお、本試験では、電卓を使えませんから、意外と3.6×7.2のようなかけ算がやっかいです。こういう場合は、ざっくり4m×7m=28㎡と計算しても全く問題ありません。
他の選択枝を考えてみると、3.の図書館は100席×1.5=150㎡必要となりますから、室面積180㎡は妥当ですし、4.のレストランは50席×1.5=75㎡ですから、室面積80㎡は適当ということができます。1.は、そのまま覚えてしまいましょう。