何か前にも同じようなことを書いたような気がしますが、建築可能範囲の検討をすることは、本当に重要です。いろんなエスキスの仕方(手順)はあると思いますが、個人的には一番最初に建築可能範囲を考えます。
建築可能範囲を検討することで、スパン割のヒントになることが多々あります。H23年やH27年の過去問を重点的に、その他の年度の標準解答例における敷地と建築物との関係を調べてみることも、エスキスが上手くなる上でお勧めです。
極めて個人的な経験則ですが、エスキスが上手くなるきっかけは、実は、この建築可能範囲の計画の重要性を、ちゃんと意識することなのではないかと思っています。エスキスが上手く行かず、悩んでいたかつての自分を振り返ってみると、一応、手順を踏んで、表面上はエスキスをしているように見えても、本当の意味で中身を全く理解していませんでした。
何のために行っている検討なのか、次に何をすべきなのか、何を検討しなければならないのか、全く分かっていなかったと思っています。
しかし、ふとしたことをきっかけに、建築可能範囲って、めちゃくちゃ重要なのではないかと思うようになり、その時から、ようやく「意識して」検討するようになったと記憶しています。
ここから、芋づる式にエスキスの全貌が見え始めたというか、チビコマや倍コマで行う検討が、何のために行っていて、どういうふうに繋がっているのかということが分かりました。
つまり、覚醒したんだと思います。
この覚醒という感覚が、どういうものなのか、卒業生からよく聞かれるのですが、なかなか上手く説明できないでいます。
簡単に言うと、チビコマゾーニングと倍コマが連動しているということを理解し、これらの過程を双方に自由に行き来でき、その上で、どんな課題だとしても、それなりに1/400のプランニングを完成させられるという感覚です(あまり簡単じゃないですね)。
個人的に、その覚醒の感覚を掴むきっかけが、建築可能範囲の重要性を心から意識して行うことだと考えています。意外と初めのうちは、ここを軽視しがちです。敷地よりも、平面の計画に心が行ってしまいます。
しかし、結局、建築可能範囲を検討していないと、後で、駐車・駐輪スペースが確保できないことが発覚したり、一番恐ろしい建築面積オーバーとなったりしてしまいます。
やっぱり、一番にすべきは、建築物の配置計画、すなわち、建築可能範囲の検討だと、自分は思います。
参考にして頂ければと思います。